統合失調症 について

(1)どんな病気なの?

 かつては精神分裂病と呼ばれていた病気で,およそ 100 人に 1 人くらいの人がこの病気になるといわれています。

(2)原因は?

 いろいろな原因が考えられていますが,有力なのはドーパミン仮説です。私たちの脳は非常に多くの神経細胞からできていて,それら神経細胞は化学物質によって情報を伝達しています。この神経伝達物質のひとつにドーパミンという物質があり,ドーパミンの分泌がうまく調節できないとこの病気になると考えられています。

(3)症状は?

 この病気にはさまざまな症状がありますが,大きく「陽性症状」と「陰性症状」とに分けて考えます。陽性症状は普通は見られないような異常な症状が見られる場合で,幻覚や妄想などがあります。陰性症状は逆に普通に比べて心の働きが低下している場合で,感情の平板化,無気力,自閉などです。実際にはこれら以外にもいろいろな症状が見られることがあり,また一人の患者さんにこれらすべての症状が見られるわけでもありません。症状の出かたはさまざまです。

(4)治療は?

 ドーパミンの分泌を調節する薬など,薬による治療が中心になります。薬で症状が軽くなると患者さんの負担も軽くなるので,カウンセリングやデイケアなどを組み合わせながら徐々に自力で調節できるような流れにします。こうした治療により多くの患者さんの社会復帰が可能になっています。

 この病気は症状が安定してからでも,薬を飲まなくなったりとか過度のストレスなどにより再発する可能性があります。薬は主治医の指示にしたがってきちっと飲まなければなりません。糖尿病や高血圧の人には主治医の指示通りきちっと薬を投与しなければならないのと同じです。

 

 統合失調症は,風邪とか胃潰瘍などがそうであるように,病気の一種です。それもありふれた病気です。間違っても偏見や差別の対象にしてはいけません。治療により症状が安定してからはこの病気の人と会っても健康な人とほとんど変わりありません。ただ注意することはこの病気は過度のストレスによって悪化することがあるということです。またこの病気の人に仕事などで何か指示をするようなときは,抽象的な言い方よりはできるだけ具体的な言い方をしたほうがよい場合があります。

  私たちが統合失調症の人と付き合うときは,病気のことを理解したうえで,ごく普通に接するのがよいのではないでしょうか。

 

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